2011年10月23日日曜日

おのれ桜

日出谷で忘れては成らない一本の桜。
磐越西線が開通する前から咲いていたのでは?と思われる桜だった。
残念ながらかなり前に切られてしまっている。
私がこの木を最初に知ったのはキネマ旬報社が出していた蒸気機関車という雑誌のガイドであった。1978年11月号、NO58の磐西DD51ガイドというところに出ていたモノクロの写真が最初であった。

モノクロだったので桜か?としか思わなかったので確認したかったが春を待たなければしてみようがなかった。何年かの後、春行く機会に恵まれて木を調べたところ、他の桜は咲いていたが一向に蕾も付いていなく、桜の木か?とさっぱりわからなかった。
その後何年か経ち、また一冊の本が目に止った。

RM1987年5月号、NO41号に「平瀬への旅」という題で白勢久恭さんが発表した。
ペンタックス6×7に大判のニッコールレンズを付けて写していた。この機材にも驚いたが鮮明な写真で桜を見る機会に恵まれて写欲も一段と膨らんできた。
しかし桜の開花と行く日とが思うように重ならず、ようやくこの桜を写す機会に恵まれたのは91年4月28日であった。
私が写した時には木の頭が折れた後で迫力には欠けたが、実に13年後の夢が叶った一日であった。
今思うと気の長い話であるが情報の少なさが好奇心を存分に駆り立ててくれた。良い時代でありました。


0 件のコメント:

コメントを投稿